デザイナーであること
ステンドグラスにとってのデザインとは、
単に絵柄を考え、目に美しいガラスを窓に貼り付けることだとは考えていません。ステンドグラスを窓や建具などに施工する限り、それはあくまでも建築にとってのひとつの要素であると云う認識が必要だと思っています。どんなに極彩色の美しいガラスであっても建物に対して過度に主張しバランスを損なっていては建物全体として陳腐なものとなってしまいます。
また建物の様式や内装の傾向を判断し
それに見合ったドローイング(ここでは色やガラスの要素を省いた線のみの絵柄を指します)を考える必要があります。
ステンドグラスにとってアンティークなデザインは
もっとも馴染みがあり、ステンドグラスらしさを表現し易いものですが、あらゆるお家のどんな内装にもアンティークな様式が当てはまるとは限りません。アンティークがマッチするところにはアンティークを、モダンなインテリアにはそれに見合うデザインを提案する。そう云う意味で私たちはまず「コーディネーターであり、デザイナーであること」にこだわりを持っています。全体のバランスを考え「ステンドグラスの作品」を作らないこと。作品はお家全体であって私たちはその価値と格調を高めるお手伝いをする役割であることに注意を払っています。
「デザイナーの知性」
言葉にすると少しおごったような印象で、私たちにそれほどの知性があるとも思っていませんが、デザイン業種の隅っこに位置しているという自覚と共に、その言葉の本当の意味するところを日々目指しています。