1.最初に知っておいて頂きたいのは昼の見え方と夜の見え方です
ステンドグラスとひと口に言っても色使いや使用するガラスの種類によって実に様々表情や効果があり、ある程度理解して頂かないと期待を裏切られたり、思わぬトラブルを生む事もあります。
ここがポイント
ステンドグラスを境に、こちら側と向こう側の明るさの差がすべてです
すごく当たり前の事を説明しますが、この事がステンドグラスの施工を成功に導く為の最重要&基本中の基本なので敢えて最初にキチッと説明をしておきます。
私たちがステンドグラスに魅力を感じる理由の多くは、その素材であるガラスから透過する光にあります。
ステンドグラスの場合は一般の窓ガラスとは違い、素材自体に色彩があり、また表面の凹凸模様から生じる微妙な光の屈折を見る事もできる訳ですから、木や布や金属など他の素材とは明らかに違う「光の輝き」を感じる事になります。
しかしそこにはガラスの特性ゆえの「ステンドグラスの向こう側に光があれば」と言う条件が常に付きまといます。
以下に昼と夜の見え方を説明します。
昼間は室内から外に向かってステンドグラスを見るときれいに見えます。
ところが、外から暗い室内に向かってステンドグラスを見てもきれいには見えません。
夜は外の方が暗く光が入ってきませんので室内からステンドグラスを見てもきれいには見えません。一方、外に比べると室内の方が明るいので外からステンドグラスを見るときれいに見えます。
ここまでは、昼と夜、部屋の中と外を例にステンドグラスの見え方を説明しましたが、ステンドグラスを境にこちら側と向こう側の光の量の違いで見え方が大きく変わると言う点では、部屋の中の間仕切りや扉にステンドグラスを設置する場合でもまったく同じ原理で同じ事が言えます。
では、夜でも部屋からステンドグラスをきれいに見る方法としてステンドグラスにライトを当ててみればどうか?と言うご提案がよくありますが、結論から言うと、効果がない訳ではありませんが、残念ながら昼間の様な見え方は期待できません。
ステンドグラスと照明に関しては以下の様な事が言えます
・透明感のあるガラスでは、自身の眼→色ガラス→スポットライトなどの光源が一直線に並ぶ部分のみがきれいに見えます。
・照明をステンドグラスに直接当てるのではなく、背後にある壁面などを照らし間接照明的に見る事がせめてもの方法かと思われますが、現実の住宅事情でこの方法が可能な場面は少ないと思われます。
・不透明系統のガラスであれば、照明を直接当ててもある程度の効果は期待できます。ランプシェードがきれいに見える事とほぼ同じ理由ですが、透明感のあるガラスではあまり効果がありません。また室内側がある程度暗くなければ効果は半減します。
店舗の例ですが、室内からは写真が白飛びするほどスポットライトを照射していますので、外から見ると中央のキャラクターの部分は比較的きれいに見えています。しかし、その周囲の透明感のあるガラスは決して色鮮やかに見えているとは言えません。
ステンドグラスの
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