廊下からダイニングキッチンへ入る引き戸の上、欄間部分に施工されたステンドグラスです。
この住宅は最近では少なくなった無垢の木材をだけを使った純日本建築で、この欄間にも本格的な木彫りの彫刻欄間が入る予定でした。
しかしながら工事が進むにつれ今の時代にあまり仰々しい飾り欄間と言うのもどうか？との提言もあり、ステンドグラスに代役の可能性を見いだして頂き施工に至りました。
デザインはコストも考えてシンプルに抑え、周辺の建具との調和を図るべく格子を基調にしました。
スッキリとしつつもランダムに配された鉛線の格子とダイナミックにレイアウトされた唯一の曲線である大きな円弧が、周囲の迫力ある本物の建具の中で存在感を主張しています。
使用したガラスも透明の型ガラスから乳白色に留め内装の雰囲気との調和を図っています。
しかしながら透明型ガラスの多彩な表情のおかげで、決して平面的で薄っぺらい印象にならず、ステンドグラス越しに見える格子のゆがみがステンドグラスの表現の多彩さを表しています。